Space Grail・決意

「ちょ、ちょっと待って!少し考える時間をちょうだい!」

いろいろ起こりすぎて何が何やら!
目を白黒させながら、頭の中で情報を整理した。

「えっと、まずあなた・・・・・・セイバー、さん。『サーヴァント』っていった?それって、もしかして聖杯戦争のやつ?」

「左様。そしてその腕にある聖痕こそ、マスターの証である」

「でも、それっておかしいよ。確か大昔に放棄されて、それっきりって話じゃないか」

聖杯戦争。聞いたことがある。
かつて日本で行われていた大儀式。
全ての願いを叶える器、聖杯をめぐって、7人のマスターがそれぞれ英霊を率いて殺し合った。
戦争は第3次まで続きーーその時の戦いで聖杯が致命的な損壊を受けた結果、終局を迎えた。
そういう話だった。

「それも左様。だが、現に余はここにいる。いかなる理由かはわからぬが、戦争は始まり、そなたは勝ち残らねばならぬのだ」

「他の6人・・・・・・一緒に乗り込んだ魔術師の人たちに?いい人たちだったけど、話してわかり会えないかな?」

「戦争はいつでも賢く良き者同士で起こるのだ、悲しいことにな。さて、ゆっくりしている時間はないぞ。他のサーヴァントもあらかた現界した時分だろう、早く移動しなくては危険である」

セイバーは左手の壁に目をやった。そこには無機質なデザインのオートマチック・ドアがある。
内側からでも外側からでも、ボタンを押せばたやすく開けられるはずだ。
もし相手がその気であるのなら、確かに悩んでいる暇はなさそうだった。
私は大きく深呼吸をし、壁際に歩いていってボタンに手をかけた。
それから、まっすぐにセイバーを見据える。言っておくべきことがあった。

「正直、わからないことだらけだ。あなたが信用に足る人物なのかどうかもわからないし、他の人たちが殺しに来るなんて想像もできない。でも、今はあなたを信じるよ。悪い人じゃなさそうだし。」

「うむ、ではーー」

「ただ、一つだけ約束して。絶対に人殺しはだめだ。狙うのはサーヴァントだけにしよう」

セイバーは一瞬驚いた顔をしたあと、ふふふ、と笑った。
やっぱり悪い人じゃない。そう確信できる、穏やかな笑顔だった。

「もとより、余の剣は人を傷つけるために振るわれることはない。了知した、余のマスターよ」

セイバーがうなずいたのを見て、僕は覚悟を決める。
どんなことがあろうと、みんなで生き残ってみせる!それが僕に課された使命に思えた。
ボタンを親指でグッと強く押し込む。

開かない。
カチッ、カチッ、カチッ。
何度か試してみるも、扉はピクリとも動かなかった。

・・・・・・え、え〜?

  • 最終更新:2018-10-02 13:52:39

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