紅炎は猛り、白刃は舞う

 浮遊し、変幻自在の軌道で襲いかかる八本の剣を避けて、あるいは砕いて、私は何度目かの攻勢に出る。
私の剣はまたしても槍に止められてしまうが、それは解ってた。
私は、下から掬い上げるように切り上げ、強引に槍を逸らす。
そして、左手に炎を纏わせ、がら空きにした胴体目掛けて掌打を放つ……が、あと少しの所で、後ろに跳んで避けられてしまった。

「それは解ってましたよ」

 堂々と宣言するセイバー。
実際、これまでも含めて私の動きを先読みしてるとしか思えない。
毘沙門天は、神代の英雄並みの身体能力に加えて、そういう加護か何かもセイバーに与えて居るみたいだ。
身体のあちこちに掠り傷を負った私に対して、宝具一つを吹き飛ばされた後は未だ無傷のセイバー。
戦況は、余り良くなかった。

  • 最終更新:2019-01-29 20:40:49

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