秘海集積船

概要

秘海集積船───通称『船』。
陸の上で失われていく神秘に見切りをつけ、海にまつわる神秘を追究せんとした魔術師たちの船。特定の陸地を目指さず世界中の海を渡り続けている。
発足は西暦千年の前後。始まりは小さな船だったが、千年をかけた拡張・改造により巨大船舶へと変貌した。
目的は海に潜む未知の神秘の発見とその解明。

船上にはある種の生活圏が構築されており生涯を『船』で過ごす人間すら存在する。生活圏内には魔術師だけでなく魔術使いや神秘を知るだけの一般人も生活している。
後進を育てるための学園をはじめ、いくつもの施設が拡張・改造によって後乗せされた。
扱う神秘も同じく、新旧まとめて雑多な概念が導入されている。一隻の船に数多の神秘が相反せずまとめっているのは『船』の基盤部分の特性に因るところが大きい。


歴史

始まりは西暦千年の頃。ある魔術師たちは陸の上で失われていく神秘に見切りをつけ、未だ人跡未踏である深海にこそ神秘の極みがあるとした。
十人にも満たないわずかな魔術師たちは揚々と海に飛びだし……間もなく怪物に呑み込まれた。それは北の海に巣食う太古の幻想種クラーケン。
呑み込まれ死にゆくだけだった一人の魔術師はしかし諦めず、怪物と繋がり、合一を果たした。
かくして北の海に人であり怪物でもある『船』が誕生したのである。

以後も目的は変わらず未知の神秘を求めて『船』は海を彷徨う。
次第に乗船を希望する物好きが現れた。物好きを受け入れると、人が人を呼ぶようになる。増えた人の群れは『船』をもっと広くしようと考え、自分たちの神秘を導入していった。
時代も国も問わず数多の神秘を受け入れた『船』は巨大化していき、現在の巨大な姿へと変貌していった。


船体について

元々は一人の魔術師と北の海の幻想種クラーケンが融合したもの。
融合した時から生命体としての存在は内部に引きこもり、抜け殻となった遺骸を利用した『船』を使って活動を続ける。
『船』は後から乗ってきた人間の手によって時間をかけて少しずつ少しずつ拡張・増設を繰り返して今の形になった。
航海中も海中のマナを汲み上げることが可能で常に魔力の補充が可能。船内には魔力を電力に変換する設備もあるため電力についても同様。

船体全体には認識阻害の魔術式が組み込まれてある。「船を船だと認識できない」「船の存在に違和感を抱かない」「根本の認識から外す」「風と光による迷彩」など複数の魔術をかけられておりその偽装は完璧に近い。それでも完璧というわけではなく物理的な接触は誤魔化しきれない。
船体の装甲に使われる材質は統一されておらず区画ごとによってバラバラ。それでも動力機関を守る装甲や船長室の入り口など重要な区画はクラーケンの遺骸と魔銀(ミスリル)を用いた特殊装甲となっている。

船の前部───船首にあたる部分に学園が設置されている。その逆、船尾にあたる部分は航海総括局直轄の『操舵室』を置く灯台と呼ばれる建物が存在する。
そして船首と船尾に挟まれた船の中央部では、クラーケンの殻を利用して作ったドームと、ドームの上に無作為に上乗せされた居住区が上下左右に並ぶ。
『船』の動力機関は船尾の下部に位置する。動力機関はクラーケンの足にあった魔術回路を用いて造られたものと、後から載せたものを合わせた計十二基の魔力炉によって動く巨大スクリューがメイン。
緊急時の際には居住区の真下に外輪が出せるようになっている。

船内は魔術による空間拡張によって元の数十倍の空間を確保している。船内には動力機関、倉庫、魔術師たちの工房、調査隊本部などがある。
また、生活管理局の管理下にある迷宮の入り口も船内に存在する。


居住区

中央部に位置するドームに後付けで積み重ねられた船員たちの住居がある場所。
主に集まっているのはドーム上部だが、甲板から側面に這うようにも積み重なっておりドーム外面はほぼ居住区で覆われている。その様相は九龍城のそれに近しい。

内部は迷路さながらの混迷ぶり。当然地図などもなく居住区で暮らしている人間も全容を把握している人間はごくごくわずかしかいない。
主に"部屋"あるいは"家"が重なっているが、個人で営業しているショップも点在する。24時間営業のコンビニや魔術礼装専門店など。
電気、水道はもちろんWi-Fiも通っている。


船長室/開かずの海

始まりにクラーケンと融合した魔術師の内面世界とクラーケンの神秘が混じり合うことで亜種固有結界として昇華された船内に広がる迷宮にして『船』の基盤。名を開かずの海。
結界の特性は吸着。引き寄せ、呑み込み、けして離さない。魔術師の内面世界でもあるこの結界はとくに"神秘"を好み吸着する。『船』が多くの神秘を受け入れられるのはこの特性から。
『船』を一個の生命体として扱い、船内を体内に置き換えることで世界の修正を回避している。
『船』における船長室とはこの固有結界を指し、始まりの魔術師たる船長は今も変わらずここにいる。

結界内部では海が広がっている。
正確には、迷路のように曲がりくねり枝分かれした海底トンネルで形成された"海の迷宮"が広がっている。
海上では常に嵐が吹き、海面には失われた島が浮かび、海中には過去にのみ存在した幻想種が現存し、海底には幻の都市が沈む。
この海には『船』が数百年かけて吞み込んだ全てがあるとされた。人も、船も、魚も、都市も、魔獣も、島も、海も、全てが累積し現存している。

船内の三割の空間はこの固有結界によって占領されている。三割という数字は結界の外から計測して出されたものであり、結界内部の広さはその数十倍から数百倍、ことによればそれ以上になる。
結界の入り口は生活管理局の管理下において封鎖され立ち入りを禁じらている。しかし、魔術社会においても希少な資源の獲得が期待されるため、生活管理局の要請を受けた調査隊の一部のメンバーは立ち入りを許されている。



乗船について

乗船にあたっての基準や条件はとくに定められてはいない。希望すれば誰でも受け入れる。もちろん最低限の健康診断や持ち物検査や素性の確認は行われる。
後から乗ってきた人間たちが後付けを繰り返して作り上げたという歴史を持つからか、『船』全体に「来るもの拒まず」の共通意識がある。
魔術師が作った魔術師のための船だが、一般人や魔術使いも乗船はできる。

乗船するルートは主に二つ。
一つは『通信室』のメンバーからスカウトを受けて乗船するルート。
もう一つは『船』の存在をどこかで聞きつけ、自力で辿りついて乗船するルート。
他にも"航海中に偶然接触しそのまま拾った"や"気づけば乗っていた"などのレアケースがある。


外部との繋がり

『船』は半年に一度の周期で港に停泊する。
停泊期間は一ヶ月。この一ヶ月の間に物資補給、魔術的資源の取引、有望な人材のスカウト、船体の総点検などを行う。
生徒たちにとっては夏休み、または冬休みにあたる。
『船』に乗る、あるいは降りる機会はこの一ヶ月の停泊期間以外にない。

停泊期間外の個人的な下船は追放処分という形で一応は認められている。
下船とは言うが海の真っ只中に身ひとつで放り捨てられるだけで、最低限の渡航能力がなければ自殺と変わらない。
魔術協会とは魔術的資源の取引と人材の引き抜きに限り関わりを持つ。敵対・協力関係はない。派閥によって軽視・関心・警戒と対応の差がある。
聖堂教会との関わりは皆無。そもそも接触する機会がない。


支援者・取引先リスト

<モリソン・モーティマー>
調査などで獲得した幻想種の一部をやりとりしている。
<シメオン・ノーリッジ>
種類を問わず雑多な物資の取引。個人の移動サービスも行っている。
<レッドア・モンティラード>
『船』に友人がいるという理由で援助している。
<アーダルベルト・シザームンド>
呪体および細々したものを取引している。
<エイベル・エイマーズ>
自身の研究を引き継いだ後輩達を支援している。



組織構成

主に『航海総括局』『生活管理局』『調査隊』『学園』の四つの組織で構成されている。
組織としての地位はまとめ役をつとめる『航海総括局』がもっとも高く、次いで『生活管理局』と『調査隊』が並ぶ。地位という点では『学園』がもっとも低いが重要度は横並び。



航海総括局

『船』の航海・運営における意思決定機関。
航海の上で必要な船体に関する様々な役割を担当している。また、外交や財政管理も担当。

航海総括局は『船』の組織の中でもっとも高い地位にあり、そのため所属する幹部候補生はいくつもの面で優遇される。
個人用の工房や調査隊の成果物が優先的に回されたり、居住区の個室もグレードの高いものが用意される。こういった理由から航海総括局に所属している人間は魔術師として真っ当に活動しようとしている者が多い。
航海総括局の局長となる人間は自動的に副船長も兼任する。副船長は表に出てこない船長に代わって実質的なトップをつとめる。

航海総括局の主要な施設は船尾に位置する"灯台"と呼ばれる巨大な塔に集中している。
幹部のための個室や工房そして共同研究施設が集まっている。『機関室』を除いた各グループの本拠もあり、最上部には『操舵室』が存在する。

属しているグループは『操舵室』『機関室』『通信室』『灯台室』の四つ。


操舵室

『船』の舵を握る部屋。船の操縦はここで行われる。航海総括局の管理下にある。
入室が許されるのは『副船長』『操舵手』『通信士』の三名のみ。実質的なトップの集う場。


機関室

『船』の整備・拡張・点検を担うグループ。航海総括局に属する。
機関室という名前ではあるが、動力機関を含めた船体全てに対応する。
船体の大雑把な部分はしたっぱたちの仕事。動力機関は機関室長をはじめとしたウデのある者の仕事。
『船』に認識阻害の魔術をかけるのも機関室の仕事だが、少々特殊なため通常業務とは外れた専用のメンバーが担当している。


通信室/ドルフィン・ニュース

『船』の情報伝達を担当するグループ。航海総括局に属する。
船内の情報伝達はリーダーである通信士がほとんど一人で行っており、メンバーの大半は『船』の外、陸地で活動している。海にいては知りようのない世界情勢や他の魔術組織の動きを監視し伝えることが通信室のメイン任務。
そして通信室のメンバーは人材の引き抜き、スカウト活動を行っている。『船』の存在を噂レベルで魔術社会に広めてもいる。
それとは別に『船』で起きた事件・事故・イベントなどをまとめた新聞『ドルフィン・ニュース』を毎日発行している。これは通信室に課せられた仕事ではなくリーダーの通信士が趣味で始めたもの。


灯台室

航路上の監視を担当しているグループ。『船』のレーダー&ソナー役。航海総括局に属する。
波を見る、風を読むのが基本。他には海賊や魔獣の接近もいち早く察知する。
気象予報も行う。場合によっては星詠みのためにちょっと雲を動かしたり、複数人の儀式によって天候操作を行うことも。




生活管理局

『船』に所属している全ての人間たちの生活を管理し守っていく防衛組織。人間が生きていく上で発生するいくつもの雑務を担当している。
生活管理局の局長となる人間は、自動的に操舵手も兼任する。これは『操舵室』を航海総括局に独占させないための措置である。
高い地位にある航海総括局や、成果物を直接獲得できる調査隊と比べると、生活管理局は魔術師として活動するには向いていない。そういった事情も所属する人間は根源を求めない魔術使いや、個人的な目的・理由をもっている者が多い。
生活管理局には魔術や神秘を知るだけの一般人もそこそこ所属している。これは業務の多くが根本的な部分で魔術を必要としない、という理由から。

『船』の中央部に位置するドームは生活管理局の所有。ただしドーム上部に積み重なる居住区は管轄外。
ドーム内部は重要な施設が集まっている。生活管理局の本部をはじめ、総合病院や図書館、冷蔵・冷凍倉庫を兼ね備えた巨大食堂など。

船内の実に5割が生活管理局の所有となっている。5割という数字は『船』の供用倉庫を含めてのものなので実際の使用率は他とそう変わらない。
また、『船』の内部に存在する迷宮の管理も生活管理局が行っている。

属するグループは『給食室』『医務室』『清掃室』の三つ。


給食室

すべての船員たちのお腹をみたす『船』の料理人が集まるグループ。生活管理局に属する。
点在する三つの食堂と冷蔵・冷凍倉庫を受け持っている。
食堂は学園内部、居住区近辺、船体後部に設置されている。
仕事は調理。とにかく調理。工房に引きこもったままの魔術師へ配達もしている。たまに調査隊の獲った水棲魔獣やらなんやらの解体を手伝うこともある。

真水の管理も給食室の仕事に含まれる。
水を得るために灯台室に雨を降らせてもらったり、貯水タンクや浄水設備のメンテナンスを機関室と共同で行っている。

正式な仕事ではないが水耕栽培や畜産に船外に出ての狩猟といった食材調達も行っているメンバーもいる。


医務室/特救衛生班

医者や看護師、呪術医が集まる医療を担当しているグループ。生活管理局に属する。
仕事の内容は医療行為。手段に魔術が用いられているが一般人の手を借りることも多い。
そして海難事故に対処する特殊部隊でもある。溺れた人の救助や船内での火災や浸水と幅広く対応する。
彼らは真っ白な箱型ゴーレムで造られた"医務室"を駆って、けが人や病人、溺れた人の元へ駆けつける。


清掃室

特別な技能を持っているメンバーの方が少ないグループ。生活管理局に属する。
『船』の全ての施設・設備を清掃するのが役割。
その仕事量の膨大さから使い魔などを用いて"手足"を増やすことが推奨されている。
生活管理局のしたっぱメンバーの多くが所属しているが、それでも人手が不足することはままある。


ワイルドハント騎士団

各グループからメンバーを選りすぐって作られた屈指の戦闘力を誇る治安維持組織。生活管理局に属していたが、『風紀班』から変化した際に独立している。
"船長"の命令を直接受け取る唯一の組織であり、『船』全体の治安維持と外敵の駆除を目的として動く。
航海総括局、生活管理局、調査隊の三つの組織が争いを起こした時の抑止力としての側面を持つ。
独自の判断で動くことが許されており他組織の影響も一切受けない。彼らの活動は"船長"の命令のみが介入できる。
選出されるメンバーは大きく分けて二種類存在する。
一つは騎士団長、もしくは騎士団のメンバーからスカウトされた者。組織の行動理念通り治安維持に尽力する者たち。表向きの団員とは彼らを刺す。
もう一つは船長から直接指名を受けた者。ただしこちらは治安維持そのものを目的とせず『船』の存続のため力を貸している協力者、という側面が強い。通常の船員に知られず暗躍する彼らを裏向きの団員とする。
自ら志願して入団する者もいるが、その場合は船長と騎士団長の二名から実力と適性を認められなくてはならない。

複数回にわたって問題を起こす船員はワイルドハント騎士団から『特別監視対象』として顔を覚えられる。
程度によって第三級、第二級、第一級、と分かれ数字が低いほど監視対象としての重要度は上がる。なお、この情報は一般には公開されていない。


『第三級特別監視対象』
個人レベルでの問題を複数回起こし悪い意味で顔を覚えられるようになった問題児として注目される。
最も該当者が多く、場合によっては学生でも該当するケースがある。


『第二級特別監視対象』
明確な被害をもたらすことが予想される要注意人物として監視される。
第二級からは将来的に追放処分となる者も少なくない。問題を起こさずとも潜在的な危険性を鑑みて監視されている者も存在する。

該当者:夕ウタ

『第一級特別監視対象』
『船』の運行・運営を揺るがしかねない危険人物として傍らには常に監視の目がある。
想定される被害以上の有用性を示さねば存在すら許されない。

該当者:生活管理局長


『風紀班』
生活管理局主導の元、治安維持を目的として作られたグループ。
しかし規模を拡大する『船』全体をカバーするだけの人員はおらず、その役目を果たせずにいた。
無法地帯と化していく現状を良しとしなかった船長から一つの強化案が提示された。
それは現在のワイルドハント騎士団への変貌。騎士団長を始めとした数名の精鋭が補充され、その在り方を根本から変える。風紀班はこの時より騎士団となった。





調査隊

『船』の最大の目的を実行する組織。正式名称は秘海調査隊。
航海総括局や生活管理局と違い『船』の動向に関与しない。海の未踏領域に挑み、未知なる神秘を獲得することだけが調査隊の役割である。
また、『船』内部の迷宮を調査するため特別な調査小隊が結成される場合もある。これは生活管理局による要請を受けて初めて結成される。

他組織と比較して死傷者が最も多い。戦闘行為によるものと、それに伴う海中での事故が多発しているためである。
リスクに見合うメリットも大きく、調査で獲得した成果物の7割を調査隊の所有とすることが認められている。残りの3割は航海総括局に回され、そこでさらに各部へ分配される。
「神秘の追究」「根源への到達」といった最も魔術師らしい目的を持った人間が集う。

『船』の針路にも影響するため調査海域の選出や調査期間などの最終決定は航海総括局によって定められている。
調査隊が組織として自由に動けるのは主に二点。"調査対象の選出"と"調査方法"である。
なにを調査するか、どのように調査するか、それらは全て調査隊に委任されている。

調査隊では隊員に複数人で小隊を組み行動することを推奨しているが、実力があれば個人で動くことも認められる。
第一に求められるのは成果、次いで生還。手ぶらで生きて帰る者は半人前以上ではあるが、一人前でもない。
魔術を使えない人間の入隊は認められていない。ただし、魔術に頼らずとも調査隊の必要水準に達する戦闘力をもっている規格外の存在であれば、例外的に入隊は認められる。




学園

『船』の船首付近に設置された教育機関。船上に建つ凹の形をした巨大な学舎が目印。
全寮制。全ての生徒が五年の時間をこの学舎と寮で過ごす。
内二年間は基礎を学ぶ混合科、残りの三年間を航海科、生活科、調査科の三つの学科のいずれかを選んで進む。
教師は授業内容に合わせて航海総括、生活管理、調査隊からそれぞれ派遣される。学園専属の教師も存在する。
入学するには『船』の外でスカウトを受けるか、自力で『船』にたどり着き試験を受けるかの二択。ちなみにスカウトを受けた者は試験を必要としない。
卒業後の進路は基本的に『船』のどこかになるが、希望すれば時計塔のような外部の魔術組織や一般企業にも進める。前者には推薦書を、後者には一般社会に通じる資格取得ができるよう取り計らってくれる。

学園の真下に『船長室』があるとされている。
それゆえに学園のどこかに『船長室』に繋がる出入口があるのではないかと噂されているが真相は不明。

学園の背にあたる部分に併設されている全生徒が入る宿舎。
外観は白く横に長い平屋の四角い建物。……だったが、居住区と同じく後から乗船した者の増築が繰り返され、こちらも九龍城さながらの様を見せている。現在五階まで伸びている。
基本的には一人一部屋。希望すれば二人で一部屋を使うことも認められる。ただしどちらも問題児であったりすると認められない。


混合科

基礎を学ぶ学科。
始めの二年間は全ての生徒がこの学科に在籍する。
この二年の間に生徒は自身の向き不向きを把握し、航海科、生活科、調査科の三つの科のどれを目指すかを決める。
多種多様な生徒が集まるこの学科では、能力を伸ばすこと以上に人脈作りが重要とされている。
能力が認められれば混合科での二年間を飛ばし、飛び級で三つの科の内いずれかに進むことも可能。


航海科

船の運航に必要な能力を幅広く求められる。
特に重要なのが天候操作と星詠みと魔導工学。そして人間に対する管理能力。
将来的な幹部候補の育成が目的。この学科の生徒は『船』の重要区画を任せられるようになる。
幹部候補ともなれば船内の工房を優先的に与えられる。自分だけの研究環境を整えようと航海科を目指す生徒は多い。
『船』全体の維持・向上を目指す生徒と、自身の地位向上を優先する生徒が半々くらいで分かれている。


生活科

名の通り人間の生活に必要な能力『生活力』が求められる。
生徒本人の生活力もさることながら、ゴーレムやオートマタといった使い魔をどれだけ増やし、操り、自分の手足とできるかも重要となる。
これは人手不足に陥ることがないようにするために必要な能力である。逆に言えば人手の問題を解決できるなら使い魔を不要とすることも認められる。
必要不可欠ではあれど『船』の本義を担う航海とも調査とも違う学科のため、生徒数は他の科に比べて少ない。
海の調査や神秘の探求とも違う個々人の目的を優先する変わり者が多く見られる。


調査科

調査能力の他にも戦闘、逃走、救助といった実戦的な能力が求められる。
戦闘力が重視される学科であり、授業内容も机に向かっているより現場に出ることが多い。
基礎的な立ち回りを除いて、魔術に頼った戦闘能力は個々人による差異が大きいため教師による個人指導が主流。この教育方法のせいか『生徒と教師』というよりも『師と弟子』といった関係に近くなる。
『船』の主目的を達成するための最前線たる調査隊入隊が叶う学科であり、生徒人気は高い。
「神秘の追究」「根源への到達」といった最も魔術師らしい目的を持った生徒が集う。



乗船者リスト

航海総括局


生活管理局




ワイルドハント騎士団



調査隊



学園


その他


  • 最終更新:2023-07-11 22:23:46

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