憤怒のランサー召喚

皆空「よし」

召喚の儀式は至って簡単だ。渡されたカードの裏に描かれていた模様は召喚のための魔法陣の効果があり、それを置いて詠唱を唱えるだけである。
普段から経を諳んじる皆空にとって詠唱を覚えることなど容易い。
全て問題なく召喚の儀式が執り行われる。

『ーー素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。
汝の罪は『憤怒』
降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、
王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。
閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる時を破却する。
ーーーー告げる。
汝の身は我が元に、我が命運は汝の剣に。
聖杯のよるべに従い、この意、この理に従うならば応えよ
誓いを此処に。
我は常世全ての善となる者、
我は常世全ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よーー!』



眩い光の爆発。その表現が相応しい衝撃の後、黒い鎧に身を包んだ騎士が立っていた。

ランサー「憤怒のランサー、ここに参った。問おう、そなたが私のマスターか?」

皆空「如何にも。私の名は聖川皆空。ランサーよ、そなたの真名を教えてはくれないだろうか」

ランサー「我が真名はナーダシュディ・フェレンツ2世。長ければフェレンツでいい」

フェレンツ二世。ハンガリーの貴族にしてかのエリザベート・バートリーの夫。優秀な武人でもあり黒騎士と恐れられた男。

皆空「ではフェレンツ殿、力を貸して頂きたい。私は必ずやこの聖杯戦争を生き残り、救わねばならぬ人がいるのだ」

ランサー「ああ、私も聖杯戦争にかける熱は同じ。救いたい者がいるということも一致している。マスターよ、戦支度を。今夜すぐにでも打って出るぞ」

聖川皆空は得物である十字槍を持ち袈裟を纏う。

皆空「羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶…」

聖川皆空の魔術は真言呪術。般若心経を詠唱とすることで発動する。それは今から戦へと赴く自分への強化であり、まだ見ぬ敵への慈悲でもある。
かもしれない。

  • 最終更新:2018-07-28 12:34:07

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