五道月鳴参戦

五道月鳴の朝は遅い。
前日遅くまで仕事に明け暮れていたのだから仕方ない。しかしその日は何故か早くに目が覚めた。

月鳴「ふあぁ…っ。ん、まだ六時かぁ…もう一回寝よ」

休日特権の二度寝に入ろうと布団を被ろうとした時、その声は聞こえてきた。

??「あのー、そろそろ起きてくれないかな?」

月鳴「誰っ!?」

跳ねるように飛び起きる。視線をやると一人の女の子が立っていた。
おかしい、このホテルに幽霊が出るとかいう話は聞いていない。ということは

月鳴「っ!!」

声を上げようとしたところで気付く。『声が出ない』

少女「私はカナディア・ウル・クロウリー。安心して、私は君に何もしない。ただ君に聖杯戦争への招待状を渡しに来たんだ」

そう言って少女が月鳴の手に触れるとずくり、と痛みが走る。

月鳴「っ!」

カナディア「おっと、そう言えば令呪を刻む時は少し痛いんだったね。ごめんごめん、忘れてたよ」

カナディア「さて、改めて舞台はイギリスの片田舎ヘイスティングス。マネージャーには話はつけてある。細かいルールなんかはこのカードに書いてあるから後で読んでおいて。さて、何か質問はあるかな?」

カナディアが指を鳴らすと体が動くようになる。

月鳴「あ、あなた…何者?」

カナディア「言ったじゃないか。私はカナディア・ウル・クロウリー。この聖杯戦争、大罪戦争の発案者にして運営を執り行う…あり体に言えば黒幕さ」

月鳴「大罪戦争?」

カナディア「そうとも。七つの大罪の業を背負った英霊による殺し合い、聖杯戦争、最っ高のエンターテインメントさ!」

両手を広げくるくる回りながら説明するカナディアはまるで楽しげに踊っているただの女の子のようだ。しかし言っている内容が悪辣に過ぎる。

月鳴「悪趣味ね」

思わず口をついて出てしまう批判の声。こういう手合いはこう言っても笑い飛ばすだろうと思っていたが少し違った反応が返ってくる。

カナディア「…うん、私もそう思う。とにかく、君に拒否権はないから、開催日までに来るように。来なかったら…君の場合自分より大切な人をどうこうされた方が応えそうだ」

月鳴「っ!うーちゃんに手を出したら絶対許さない!」

カナディア「おっと怖い怖い。あくまで君がバックれた時の話さ。でも怒らせてしまったお詫びといっちゃなんだけどいいことを教えてあげよう」

カナディア「そのカードは英霊召喚の触媒にもなっている。他の要素を押し退けてただ一人の英霊に固定する礼装、とも言えるね。」

それを聞いた月鳴はひどく驚いた。英霊召喚の触媒にはその英霊に纏わる聖遺物を使うのが普通だ。それを礼装で、しかも確実に望んだ英霊を召喚出来ると言う。そんなことが可能なのだろうか。

カナディア「もし君が優勝したら賞金と商品と、その礼装の作り方を教えようじゃないか。今回のような特殊な宿業もないクリーンなやつをね」

カナディア「そうそう。その効果の証明のために何が召喚されるのか先に言っておいてあげよう」

カナディア「アーサー王物語に語られる王妃。湖の騎士との不義により国が滅びる切っ掛けとなった色欲の業を負いし者」


ギネヴィア王妃さ

  • 最終更新:2018-07-27 03:02:51

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