ライダーとランサー陣営「中断と了承」


『ルイス、どうやら戦いは中断されたらしいな。』
『ああ、和解の方に話が進んだか?とりあえず彼らを撤収させてあの話に入るとしよう。』
その話を聞いて触媒に使った本を取り出す。昨日の夜にルイスが入り口の一つとして使える様にした物だ。トランプ兵達に撤収命令を出すとすぐに本の中に消えていく。七割近くが戻った頃、早く終わり様子を伺っていたアリスが、慌てた様子で話す、
『ランサーのマスターさんがあの皇帝さんに斬りかかっていくわ!止めなくて良いのかしら!?』
予想外の交渉決裂に驚きつつ、今出来る最善を考える、
『アリス、こっちの兵を頼む。ルイス、受け止めろとは言わない、心の準備をしておいてくれ。』
念話しながら本から持ってきた紙と弓、刀を取り出す、
「再選(リロード)、再選(リロード)」
紙ではなく矢を持ってきた選択を、剣ではなく弓を学んだ選択をする。肉体強化を施しルイスの下まで走る、本を矢にくくりつけ戦闘の真上を通る様に放つ、剣を選択しなおしルイスの本に飛び込みたった今放った本に飛び込む、サーヴァントと渡り合おうという剣士を、この刀を抜かずに止めるならこれくらいはするべきだ。剣士の柄手を鞘の付いた状態で打ち抜く、痺れてはくれるだろう。しかしそれも通ればの話、最悪これを抜かねばなるまい。切るのではなく離す為の剣。さて、どう出るか?



不意の一撃。
虚空から現れた男性が、アイへと何かを振り下ろす。棒状の得物はアイの柄手を見事に打ち、剣士に苦悶の声を上げさせる。剣士は危うく刀を落としそうになるも、どうにかそれを堪える。
「ランサー!僕はライダーのマスターだ!君達と同盟の交渉をしようと参上した。まずは彼女を止めたい、手伝ってくれ!」
乱入者が叫び、即座に姿勢を整え、得物を構える。予想外の連続で頭が追いつかなくなりそうだけれど、アイを止めなければならないのは確か。同盟と言う話も聞いておきたい。
「……分かりましたわ。その言葉、信じてあげましょう。ライダーのマスターさん、もし違えたのなら高くつくと覚悟なさい」
言って亜衣へ薔薇の蔦と霊を向かわせる。わたくしは壊す事は得意でも、壊さないように手加減する術は不得手。同じ人間の立場で相手をしてくれる者がいるのは心強い。
「ほう。当初の想定とは異なったが、これはこれで面白い。ライダーのマスターとやら、ランサー達の事は貴様に任せよう。そしてランサー。先の話、一先ず了承と受け取った。文句はあるまい?」
皇帝はそんな事を宣う。決裂とならなかったのは良かったのか悪かったのか。
「ええ、好きになさい」

  • 最終更新:2019-02-16 17:59:39

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