ファーガス・クロウアハ・フィデリオ

ファーガス・クロウアハ・フィデリオ
所属:時計塔貴族主義派閥 降霊科(ユリフィス)
年齢:30
好きなもの:あらゆる神話の血生臭い伝承 自分の魔術回路
嫌いなもの:向上心の無い人間
属性:地
赤毛の白人男性。宝石で彩られた華美な衣装を纏う細身の優美な青年。
時計塔を支配する君主12家の一角であるユリフィス家の分家出身。正確にはユリフィスの分家であるソフィアリの”株分け”を受けたそのまた分家。
落ち目の分家にあっての久しぶりの出世頭であり、ルフレウス翁や嫡男ブラムに仕える二級講師。
しかし、向こうからすれば消えても然程痛手では無い使い走り程度の認識。
そう思われていることは、本人も承知している。

彼は魔術を愛している。ただし根源を目指すという志すら放棄し、欲するだけの知識と奥義にどこまでも耽溺したいという歪んだ方向性だが。
聖杯への望みはユリフィスが家門の開闢より蓄えてきた過去・現在・未来全ての知識を自分だけのものとすること、そして知識量に耐えられるだけの強靭な頭脳の取得である。
霊魂と共にある降霊術の薄暗さを好んでおり、"伝統ある名門が持つ知識”の栄光ある表看板の奥に潜む血と穢れを愛している。
彼がユリフィスの知識に絞って求める理由は、「ある意味で世界の裏側をひた走る魔術という学問にあってさえ尚、陰鬱な降霊科ならば、好みとする血生臭い知識が山のように開示されずに眠っているに違いない!!」
つまりは趣味である。
手段は選ばぬ性格だが、機械製品に関しては疎い。
なんだかんだと、研究者であること、貴族であることへのプライド自体はあるため、魔術使い等という卑賎の輩は軽蔑している――油断していると同義ではない――し、人一倍自分の魔術回路への執着は強い為に、少なくとも研究で機械製品に頼ることは矜持が良しとしない。
実家に関しては、過去にばかりしがみついている愚鈍揃いとして内心切り捨てている。

魔術系統:血と苦痛を伴う降霊術・死霊術
魔術回路:質C+++(かなり歪) 量B

・魔術礼装
「定規(ノギウス)」
ユリフィス家が長い年月と共に研鑽してきた魂を計測する器具。
ファーガスの場合、モノクル眼鏡の形状に加工している。
ファーガスは独自に自分の魂(存在感)を低く見せる機能を付与している。
気配遮断のような芸当は不可能だが、能動的なアクションを起こさない限りは"特に警戒するまでもない一般人”のように振舞える。

「各所に宝石を縫い付けた衣服」
普段纏う衣装自体が礼装となっており、宝石はいわゆる"所有者が非業の 死 を遂げた"類の物を取り揃えている。
宝石が血生臭い背景を持つ質の悪い霊を集める誘蛾灯の役割を果たし、宝石一つに数十の量の雑霊を潜ませる。
普段は宝石を用いての、苦しい幻覚と肉体の幻痛を伴う相手への霊の憑依を好んで用いる。
錯乱して相手が自ら多量の流血を伴う凄惨な自 殺をするまで追い込むやり方が好み。
他、カーミラ夫人の側面のエリザベート・バートリーが用いた拷問器具を呼び出して纏わりつかせる
サロメの能力の一端をほんの短時間だけ借り、"首がもげやすくなるように極限まで脆くする”呪詛の術式として成立させて放つなど、聖杯戦争よりも寧ろ魔術世界ではポピュラーな形での英霊の力の行使を行う。
ファーガスの場合、反英霊の力の行使にはかなりの適性があるが、真っ当な英雄の力の行使になると、何故か見習い卒業以下程度にしか扱えない。

『血濡られし豊穣の蛇(ティゲルンワス)』
ファーガスの持つ多彩な魔術礼装のなかでも最大の切り札。見た目は人差し指に嵌められた指輪のルビー。
フィデリオ家が使役するなかで最も凶悪な悪霊が封じられている。
家門に伝わる伝承を確かとするなら、かの聖パトリックによって抹消された信仰における神性の負の側面を司る零落した分霊、あるいはアイルランド神話の血贄王ティゲルンワスのとりわけ悪意的な側面の力を呼び出す為の術式が霊魂となり封じられているとも。
血と苦痛に飢えた邪霊であり、血肉を食らえば食らう程にその魔力と膂力を増す。
大蛇の姿の模した悪霊として敵対者の肉を食らい、流血を齎す夥しい数の傷を生み出す遠隔呪詛・直接接触せずとも10メートル以内に存在する相手の魂を吸い上げる呪詛を行使できる。
サーヴァントとして見れば敏捷:B 耐久:Bといった所。
使用者であるファーガスですら、一度展開すればその制御に全ての力を掛けねばならない程であり、発動は7分が限界。
文字通りの最終手段である。

【フィデリオ家】
かつては小さいながらも頑強な工房を構えていた古きアイルランド土着の死霊術の家門だった。
時計塔における西暦1400年頃、君主制度完成の時期より200年下った年にソフィアリ家に血筋の優秀さに目をかけられ、刻印の直の株分けを受けた分家となった。
フィデリオとしても、ソフィアリの権勢を背景にライバルの家を蹴落として領土を拡大できたので、当初は互いに旨味のある取引だった。
フィデリオ家にとって不運なことは、領地拡大がイコール家門の全盛期であったことだろう。
そこからは下り坂を転がるようにじわじわと衰退し、今も辛うじて「一応はまだ優秀な家」程度の力は保っているものの、時計塔で現在進行形でトップを走り続ける諸家からすれば、すぐに埋もれてしまう程度のもの。
久々の出世頭が使い走りの二級講師というあたりで、それは察せられよう。
(そのファーガスも、得意とする能力の方向性には偏向が見られる)
今後、衰退していくことはあっても、盛り返していくことはない家である。
降霊科君主のルフレウスからは「くだらぬ分家」と内心見放されており、何かしらの支援をするつもりは毛頭ない。
冠位指定の研究の重要な部分からは、とうに梯子を外されている。

【サーヴァントに対して】
真っ当な英霊からは雰囲気からして警戒心をもたれやすく、彼と趣味が一見合いそうな反英霊は、ファーガスの「趣味嗜好は孤高の状態で満たすことこそ肝要なのです。同類の他者など、趣味を共有できない者にも劣る害悪ですよ」という持論により、そもそも選ばれない。
ファーガスとしては趣味に口を挟まれない限りは、サーヴァントの戦術的な提案は聞き入れる。

【NG行動】
趣味嗜好と合わない人間でも、向こうが飲み込んでビジネスライクな提案をする限りは利害の一致での一時共闘はできる。
しかし、初手で真正面からファーガスの嗜好や性質を否定してくる人間は”要らぬ嘴を突っ込む障害物”と見做す。こうした相手に柔らかな態度をとることはNG。めんどくさいくらいに硬化した態度で臨むこと。

【台詞例】
「血統主義?選民思想? 結構ではないですか、所詮血の因習と業の上に生きるが魔術師ですよ」
「根源であれ冠位指定であれ、打ち込む何かを持つことは素晴らしいと思いますよ。私の場合は、まあ少しばかり目に鮮やかな赤がチラつく趣味ではありますが」
「衰えているとわかり切っているものに縋りつくというのは、全く理解不能な脳の働きだとは思いませんか? それよりも、前向きに楽しめる何かを見つけることの方が余程有意義と思いますがね」
「ご高説どうも。貴方が人の好みに差し出口を叩いて悦に入る人間だという事はわかりました。それに関してだけは有意義な時間でした。という訳で、これ以上言葉を重ねることは致しませんよ。貴方とはね」
「意外ですか? これでも私なりにルフレウス様には敬意を払っているんですよ。かといって、願いをあの方に譲ることもしませんが」

【決戦の日】
蛇のはらわた

【SS】

製作者-デポラの人

  • 最終更新:2022-09-26 17:13:49

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード