スピルバーグ教室の問題児達
「そこのあなた。鏡の代わりに答えて頂戴。世界で一番美しいのは……もちろん、この私でしょう?」
【氏名】ローザ・ユスティングリー
【性別】可変【年齢】19歳【出身】フランス
【身長・体重】182/173cm・66/54kg
【肌色】白【髪色】金【瞳色】薄水色、薄桃色
【外見・容姿】均整の取れたプロポーション、シミひとつなく輝くように見えるほどの肌、一本も傷まず麗しい髪、そしてその全てを的確に映えさせる化粧やファッションをした絶世の美男子/美女
【令呪の位置】胸の中心
【魔術系統】美の魔術・変身術
【魔術特性】魅惑・占領・絢爛
【魔術属性】空
【魔術回路】質:B+ 量:B+ 編成:正常
【起源】追求・繚乱
【所属】時計塔・動物科と創造科の掛け持ち
【階位・称号・二つ名】祭位・最新の美
【魔術・特殊技能・特性など】
美の魔術
イゼルマにて執り行われる黄金姫と白銀姫のそれとはまた異なった「美」のアプローチで根源到達を目指している魔術。
イゼルマが究極の美を作り出し自身の魂を高次へ引き上げることを目的としたのならば、ユスティングリーは観測した各々が抱く「美」「愛」の概念に最も適した姿へと成り、美に抱く憧憬、愛に抱く欲望を……魂そのものごと魅了しつくし己が物とし、その魂らを生の軛から解き放ち、死の終着点……いわば根源への孔を開き、数多の信仰を集わせた神とも言えるべき己をそこに至らせると言ったもの。美も愛も、その全ては知性体の知性や欲望、心を統べることによって出来上がるものという考えである。
そのため、ユスティングリーの魔術師(作品)は本人の美しさを求めることも間違っていないがそれよりも「観測したものの美の概念や愛を向ける対象となる精神感応的変身術」「自身の分家や傘下の魔術師が作り出した魔術芸術的装飾品などの美を纏う」と言った他者依存が強いものであった。
………それを「くだらない」と一蹴し、他者に依存する美でなく、己を磨き上げて独自の美しさを作り出し、それらによって全ての人の「美」に対する指向性をこちらに固定させ、ついには世界をも魅了してみせ、根源への道を世界に自ずから開かせるという方針に固めたのがローザである。
実際のところ、ローザの磨き上げられた美しさ、在り方は世界的に有名なモデルとして実績を残しており、本人の恵みに恵まれた魔術の才覚もあって今までのユスティングリーよりもはるかに根源に近しいと言って良い。また、本人の持つ「天恵とも思われるほどの特異体質」により人とは価値観の違うガイア側の微例な存在……妖精の一部をも魅了したという噂話がある。
今まで「魔術礼装である身に付けるものに振り回され、他者に依存しきっていたユスティングリーの魔術師の美」は「身に付けるものを着こなし、他者を振り向かせ称賛させるユスティングリーの美」となったのである。
元来までであれば身に纏った魔術礼装の質や魔術で魅了した人々の量によって自己の概念を昇華……存在規格の上昇を行う、という魔術であったがローザは「自分が身に纏うことで逆に魔術で礼装の能力を上昇させ、自分の美しさに魅了された人々の精神を向上させる」などの使い方となっている。本人曰く、「私の美しさは私が向上させるもの。他者の価値によるものではない」とのこと。
その本質はローザを単一の物とした究極の美の生命体。陰陽合一、唯一無二の美しい瞬間の創造。そこから導き出されるのは「美しいものを見たものは美しくなる」といった美の性質の一つ。ローザを中心とした美しい世界の拡大、支配である。一を全にするものと言い換えていい。
【礼装・装備など】
ユスティングリーの分家や傘下とした魔術師達の魔術は衣服や装飾品、香水などの「美的」「芸術的」に着目したものが多く、彼らの作り出す礼装の性能自体がユスティングリー当主の美しさや麗しさを引き出すことが多かった。いわば礼装ありきなのである。
しかしローザは……本人の磨き上げた美しさと魔術の腕で「礼装の効果を引き上げつつ己の魅力もさらに高める」という荒技を可能にした。彼女にかかれば服はおろか剣などを模した魔術礼装ですら美しく照り映え、切れ味を増すだろう。
それとは別に、ユスティングリーの原来の在り方故に魔女の変身術の類を修めている。「わざわざ自分以外の姿に成るなんて私の美意識に反するわ」と言いながらも好成績。ちなみに彼女が性別を変えるのは元々両性具有だったのをこの変身術の応用で男女に分離させたため。
イメージカラー:薄紫
特技:プロデュース 天敵:野紀
好きなもの:私・美しいもの/苦手なもの:醜いもの
願い:さらに美しくなる理論実現のためのリソース
【一人称】私【二人称】貴方/アンタ【三人称】アイツ/あの人
【来歴】
ユスティングリーの魔術師として生まれるも、両性具有という歪んだ姿、大して優れてもいないと思われていた才能、「扱いきれない」ほどの特異体質、そして個人個人の思い描く美に身体を変化させるべきユスティングリーにあるまじき「卓越した個の美しさ」を持っていたため早々に当主争いからは外れた転落ルートを下り、後ろ指を指され続けた。
しかし、「他者の主観ありきの美しさなんてナンセンスだわ。私は私の美しさで世界を振り向かせてみせる。自分の素の魅力で人を一人も振り向かせられないような愚か者は下がっていただける?」と当主の座の簒奪を目標とし、人生という道が血の滲むような努力で彩られるほどの研鑽を積み、魔術の才能を溢れんばかりに開花させ、実績とその美しさを以って当主の座に輝いた。
現在は動物科、創造科の掛け持ちをしており、世界的トップモデルとしての活動の傍らに美容品プロデュースなど様々な活動を行なっている。
……実はローザの生まれながらの眼球、心臓、喉は別のところに安置されており、今のローザの三つの部位は後に再生移植したものである。
理由としては単純明快、その三つが揃うことでローザは「魅了の究極系の一つ」として数えられてもおかしくないほどの特異体質、バレれば封印指定ものの能力を備えていたが「私の美は魔術や異能なんかには頼らない。私という存在で最も美しくなる。勿論、腐らせたままにしておく気はないけれど……私がもっと美しく強くなってから、ね?」と研鑽を更に積むまでは保存しておく予定。
【性格】
美しくあることを至上とし、その命題のためにあらゆる努力を重ねる美のカリスマ。美しく在るために努力をするということは息をするように当たり前のこととローザは定義しており、妥協は一切見せない。故に己が世界で一番美しいのであるとローザは常々思っており、自分を安売りすることはない。高嶺の花であり続けるために見えないところは傷だらけや泥だらけになっても美しく立つのがローザの流儀である。
ローザの美しさの定義とは身体や顔の美貌は勿論のこと、兼ね備えた知性、持ち合わせた能力、胸に秘める精神性などの外見的なもの以外も含めたその人間の全てを以って「美しいか美しくないか」を見定める。
高潔な人物かと思えば、当主の座を獲るために暗に不和を他の一族に起こし空いた隙間に潜り込む、毒薬を仕込み暗殺をしようとした魔術師の企みを分かった上で泳がせ、最終的にお抱えの魔術薬として飼い殺しにするなどしたたかな面もある。
魔術師としての目的のためならば、敵対し己を殺そうとした魔術師の一族の研究結果の全てを簒奪し、傘下とし、ユスティングリーの魔術を高めるための糧として生涯を尽くさせることも厭わない。「自分から喧嘩をふっかけることはないのよ。あっちから仕掛けられた方が後処理が楽だもの。誰彼構わず……っていうのも美しくないし」
魔術師としての性故に仕方がないと本人は言い張るが敵対さえしなければ普通に面倒見がいい。誠意や対価を見せれば問題の解決に付き合ってくれるし一般人に手は出さない(何の力も持たない人に力を振るうなんて美しさが霞むわ、とのこと)姐御。
男体だろうが女体だろうが女口調ではあるが、心が女ということではなく「この口調の方が私の美しさが際立つもの」という理由。両性具有だったのもあってか、本人の性自認が「男の体ならば男、女の体ならば女」という風に少しざっくりしたものであることからもわかるように正確な心の性別が定まらない、女らしさも見せれば男らしさもみせる中性的なものとなっている。それ故に純粋な男性故の美しさ、女性故の美しさを自分は見せることができないであろうことには些か不満。
自分に対しても周りに対しても厳しいためか、自分の体重が少し増加する、肌が荒れる、などの異変が生じたときにはめっぽう落ち込む。人前には見せないがとても落ち込むしミスだって増える。
【行動規範・行動方針】
聖杯戦争に勝つ。勝負なんて勝てば官軍負ければ賊軍私が勝つからお前は賊軍というスタイル。
【参戦理由】
自分の目指す「更に美しくなるための計画」に必要なものが今の状態では願望機にでも願わない限り手に入らないため
【サーヴァントへの態度】
使い魔としてではなく一個人として接する。接するが故に「目の前にいる存在は歴史に名を刻んだ存在である」という認識のもとバシバシ厳しく行く。容赦なく言いたいこと言う。しかし、そんな英雄と並び立つのだからこそ自分にもいつもより何十倍も増して厳しく行く
【役どころ・コンセプトなど】
頼れる姐御・美のカリスマ・ヴィランもできる悪辣さ
【セリフ】
「いいこと?美しくありたいのなら、妥協はしちゃダメ。自分が思い描く最も美しい自分に向かって、一生懸命に走り続けるの」
「私の身体?ふふ、そう、そうよね、均整が取れているでしょう?………別に、古代の男性の鍛え上げられた筋肉が美しいと言う価値観や女性の豊満で蠱惑的な肉体こそが美と言う考えを否定しているわけではないわ。ただ、私が最も美しくあるのはこの肉のつき方ってだけ」
「イゼルマ?知っているわ。ユスティングリーとは違う美の追い求めをした者達でしょう?私も黄金姫と白銀姫のお披露目会には参加したし、顛末もある程度は知っているの。……外面だけじゃない、内なる強さにこそ美は現れるものよ。覚えておきなさい」
「花魁や踊り子、キャバクラで名を馳せた人々には敬意を表しているの。……あら、意外?下品って切り捨てるかと思った?考えが浅いわ。ああいう夜の華で最も美しく咲き誇るっていうのはね、顔や体だけじゃないの。人を魅了する知性か、人の心を緩ませる性格か、はたまた両方か……クレオパトラだって、知性が優れていたからこそ三大美女になったというでしょう?」
「ダメね。全くのナンセンス。それで私を陥れようとしたのかしら?性格ブス、外面ブス、覚悟もブスね。せめて決意を決めなさい。私が思わず殺されてもいいと一瞬でも思うほどに、強く麗しい決意をね。……まあ、私を見縊ったアンタに次はないけれど。アンタの研究結果の全て、私の悲願の糧となって頂戴?大丈夫、私が美しくなるのだから」
「ちょっと、アンタ。寝癖がついてるわ。よくないわね。この学び舎は魔術師達が集まるところ。頭が硬かったり、ネチネチと小言を言う奴らも多いんだから、そういう隙を弄ったりする輩は多いわ。……来なさい、ブラッシングしてあげる」
「ちょっと、ブリュンヒルド!同じ教室のよしみだからと少しは見逃していたけれど、もう容赦はしないわ!女の子ならもう少し身嗜みはしゃんとなさい。性格もブスになるわよ!?……作品を作るのに身嗜みは関係ない?それこそ愚かよ。人っていうのはね、作った人の有り様で色眼鏡を変えたりするの。貴方の作った作品が優れていても、貴方が冴えないと大したことないと切り捨てられてもおかしくないんだから!あとその内向的な性格もダメね。ほら、来なさい。三日三晩レッスンしてあげる!」
(ブリュンヒルド・ヤルンテイン)
「あら、西行。昨日のパーティー、やっぱり貴方のデザインしたピアスで正解だったわ。ありがとう。ほら、美しいでしょう!……別に、貴方の焦がれる『最高の美』になんてなるつもりはないわ。そんな借り物の美、先代ならまだしも私は願い下げよ。……だから、見てなさい。私自身の美しさで、貴方に『美しい』と言わせてあげるわ」
(西行・キャスリーン・華恩)
「……私、アンタ嫌いなのよ。どう思ってるか、なんてのはわかりやすいくせに本当のことは掴ませないものね。あと、人の美醜をくだらないものと思ってそう。……だって、人じゃないものね?あ、こら、逃げるんじゃないわよ!」
(アレクサンドル・野紀・ヴィヴラメント)
「傾国の魔眼」「天姿天香の喉笛」「絶世の徒花」
「俺がどうしようが周りが俺を巻き込むんだ。だから俺は何にもする必要がない。怠惰ってのは最高だな?」
【名】シャフリヤーナ・アスタム【性別】喪失
【年齢】68歳【出身】中東
【身長・体重】160cm・54kg
【肌色】褐色【髪色】黒髪【瞳色】金と銀のオッドアイ
【外見・容姿】男女どちらとも取れる中性的な美しさを持つ。性器を喪失し、性ホルモンの分泌もないので性別というものが無性に近い。体の至るところに茨のような痣がある。
【令呪の位置】肩甲骨
【魔術系統】変身術・生物創造
【魔術属性】地・風【魔術特性】誘引・幻想・不変
【魔術回路】質:B+ 量:B+ 編成:異常(妖精の干渉有り)
【起源】渦中・依代
【所属】時計塔・植物科と創造科の掛け持ち
【階位・称号・二つ名】祭位・妖精に呪われた愛子
【魔術・特殊技能・特性など】
変身術
魔女の黒魔術、御伽噺の魔法使いの魔法、など人々に広く認知されているであろう変身術の一種。黒魔術(ウィッチクラフト)に属するものの一部ではあるが生贄を捧げることにより起こす呪詛的な魔術というよりは薬草、リソース、儀式などをもって行う古典的黒魔術の内でも幻想的、負の側面を負わないものである。
一時的な魔術的変化ならまだしも、『肉体的、細胞、身体構造に至るまでの長時間に渡る変化』は現代科学という観点から見ても夢物語レベルであることからも最上級難度であるが、『妖精に祝福された』ことにより常識外の存在に近いアスタムは正規の手順を踏むことで変化する対象にもよるが可能。
なお、手順は変身術を修めた万人に聞くと「メンドクサイ」で満場一致するらしく、かなり不便なものである様子。
生物創造
アスタムの魔術。アルビオン生還者となった祖父が権力を獲ったことから本家であった一族の勢力も削り取った上で生み出した一門。
その在り方は過去から現在、現在から未来に至るまで、全ての生命体の系統樹や遺伝子の流れを取り入れた全ての生物に成りうる究極の生命体を創ること。かつて存在した生命、そしていつか生まれるかもしれない生命の存在にアプローチをかけ、そこから生命の生まれ出る大本……根源へと触れようとする試み。
アスタムは一つ一つ積み上げていくには時間が惜しいので「何にでもなれるもの」を年代順と系統樹順に幾つか作っていけばショートカットが出来るはず、という試みから様々な自立型キメラともいうべき生命体を創作している。さらに言えば、その在り方を己の肉体にも適応させた肉体改造の一族である。
……のだが、シャフリヤーナはそのような一族の魔術を「つまらねぇ。あり得るもの、あり得たもの、そればっか求めて何が芸術家だ。テメェらで全く新しいそれを創ろうとしねぇのか?」と一蹴。自身に刻まれた妖精の呪いを利用して新しい生命の創造……霊長をモデルケースとしたものを目指した。
それは呪いを通じて地球の膨大な生命バンクから「人型」の情報を選択、その情報に自分から出てきた魔術触媒やさまざまな人の想念を帯びた物品で肉付け、一つの生命を創造するもの。
それだけならば単純だが、シャフリヤーナの「人間ってのは醜悪で、でも美しさがある生き物だろ?」という価値観のもと創り出している一つの芸術作品となるので、必然的に邪悪で醜い、しかし人間の泥臭い美しさを感じさせるものになる。かけ離れた美しさではない、身近だからこそ尊い美しさの体現。
その本質はアスタムと生命たちを総体の物とした究極の美の生命体。陰陽喪失、有象無象の醜い普遍の創造。そこから導き出されるのは「醜悪に溢れかえる欲望の海、犇めき合う生命の塊」といったもの、魂の堕落による総体の昇華、高次の接続。シャフリヤーナと作品を中心とした悍ましい世界の収束、確立である。全を一にするものと言い換えていい。
妖精の祝福
妖精郷へ迷い込んだ際、性別・長髪・記憶・魂の一部を奪われ、彼らの寵愛の証として贈られた祝福。
流す涙は宝石に、咳き込む息は大輪の花に、髪が織りなすは極上の糸、噴き出す血液は極上の美酒に、生み出す魔力は上等なリソースに。人ならざるもの達の愛し子としての証、逃れられない運命への呪い。身体中に巻きつく茨の痣は愛し子たる証である。
触れることでこの祝福の一端を受けることが可能。その意味では継承可能、とも言えるのだが……やはり妖精に直接祝福されたわけでもないため、そう上手くいく話ではない。咳き込み、花を吐き出すのが止まらず肺を痛めて死ぬ、宝石を目から流したとき、脳に宝石が詰まって死ぬ、など。扱いが実験動物のため、というか人権が割とないためホルマリン漬けにはされないが飼い殺しにされている要因である
【礼装・装備など】
呪い封じの服
アスタムに触れてしまえば祝福が感染ってしまうため、特別に仕立てた長袖長ズボンの服と手袋。特に暑くもないように着ているがむっちゃ熱い。実は脱ぎたい。でも脱いだらお偉い方とか先生に睨まれるので脱げない。脱がせろ。
イメージカラー:深緑、オレンジ/特技:時短・バーテンダー
好きなもの:怠惰/苦手なもの:労働・厄介ごと
天敵:ローザ・ユスティングリー、野紀
願い:魔力リソースと人の想念を効率よく回収するシステムの構築
【一人称】俺【二人称】お前【三人称】アイツ・
【来歴】
高名な魔術家の力ない分家として成立したアスタムはアルビオンに潜らされるなどの命の価値が軽い役目を担っていた。……が、シャフリヤーナの祖父、前代当主の代でアルビオンから資材を持ち帰るなどの功績を残し生還者として帰還、一躍評価を高める。
その頃、シャフリヤーナは原来、人ではないものから「好かれやすい」体質であったのが不幸を招き、妖精郷に神隠し……実に5、6年の間そちら側に連れて行かれた。
そこで現実に立ち返る際、渡された祝福が時計塔有力魔術師の目を引き様々な研究対象として扱われるも使えないもの、封印できないものとして持て余され、爪弾きものとしてアルビオンに押し込まれる。……も、これまたアルビオン生還者(サバイバー)として帰還、数多の権力闘争と魔術の才能の発揮により本家もアスタム派も全て自分の下に置き、むしろ正式な魔術師の一つとして自立を許してしまうような状況へと化してしまった。
妖精の愛し子となった際から運命力が足りないのか因果律なのか「不幸」に苛まれやすい体質になったらしく、常日頃から損を負う事ばかりに遭う。最近はそれに対して自分も問題を起こすように振る舞っている。
また、執行者紛いの仕事も請け負っており、戦場に首を突っ込むこともしばしば。基本的に都合の悪いことに半強制的に顔を突っ込まされるのであった。お上の人の命令にハイと答えるばかりである
現在は創造科のとある教室のもう片方と並んで「エルメロイ教室に並ぶほどの問題児」として名を馳せている。本人はどこふく風でサボり、片割れがそれを見咎め、結果的に問題を起こす。混ぜるな危険、keep outである。
【性格】
自分が何をせずとも世界は勝手に自分を巻き込んで不幸を撒き散らす。だからこそ何を別にどうこうすることもなく、ただ流れに従い、気分が乗らなかったら全力で抗えばいい。というスタイルで生きてる奴。よく言えば無常感、悪く言えばめんどくさがり。
体質や功績故に時計塔に子飼いにされている己の立場にはそれ相応の悔しさを感じており、またそのいざこざに関係したロードや上層部の何人かにそれを見透かされた上で他の手が伸びないよう手を回され(飼い殺され)ていることに対しても無力感が連なる。
最近は時計塔で生きるなら、まあそれ相応にはっちゃけてもいいかという域に達しており「昔は良い子だったのに……」と冗談まじりでからかわれるぐらいには変わった。なおアスタムが受ける授業の講師は冗談まじりではすまないと真顔で返された。真面目に生きようとは思わないが全力で生きて行動しようとは思っているらしい。
生粋の不幸体質すぎて巻き込まれた際にはもうそれを全力で楽しむことを決めた。そのためスルー適性も乗っかり適性も高い。ギャグイベが起きればボケもツッコミもこなせるオールラウンダーである。
神隠しによる呪い、触れられないことによる悲しさはかなり感じており、それも含めてめんどくさいから、という雰囲気を装って誰にも踏み込まれないように装っている。だから怠惰が嫌いでズケズケ踏み込んでくるローザが嫌い。
【行動規範・行動方針】
何もしなくても全ての事柄は向こうから来る。それに乗っかって生きていけばいい。どうしても嫌ならば、全力で抵抗すればいいのだから
「ふぁ……ねむ……なんだ、俺に何か用か。またか。慣れてるから遠慮せずに言えよ。報酬を出すならやってやる。どんなことでもな」
「あ?こんなところでサボってていいのかって?遅刻する?気にするな、人生楽に行けばいいのさ。どうせ俺をすぐに巻き込むことが起こる。……は、隣の区画で魔術実験で大爆発が起こった、か。ほらな、問題が起きただろ」
「泣いたところが想像できない?だろうな。俺が気安く泣いたら富が築けてしまう。一度それで金にがめつい小娘……遠坂とかいうやつに追いかけ回されたことがあったが……ま、慣れたな。……いや、やっぱ慣れねぇな。アレは怖い。とても怖い」
「これは勘違いされがちなんだが……俺が問題事を起こすんじゃない。問題事が俺を巻き込むんだ。俺はただ何もせず惰眠を貪る1日で良いっていうのに運命がそれを許してくれないのさ。おわかりだね?……結局悪化させているのは誰だ、か。それは勿論…………誰なんだろうな。見当もつかねぇ」
「妖精の祝福?やめておけ、ロクな物じゃない。祝福のせいで解剖されて、その後標本一歩手前に追い込まれてアルビオンに飛ばされて、今だって執行者紛いの命懸ける仕事してる俺が言ってるんだ、説得力抜群だろう?……はぁ、プリンセスやお伽話の勇敢な英雄。ありゃあきっと度を越した善人か妖精を従える王の素質を持った器なんだろうさ。住む世界が違うんだろ。ああ、そうさ。そうなんだ。………人生は、不公平だ」
「だから俺の一部を取り込もうなんざするなと言ったのさ。咳が止まらない、熱に浮かされたように頭も回らないだろう?そりゃそうだ、今も休む事なくお前の肺は花で満たされて脳からは宝石が生産されてんだからな。ほら、さっさと吐きながら涙でも流せば良い。そうすれば死なないし巨万の富もお前のものだ」
「チッ……うるせぇぞスピルバーグ。俺がどうしようが俺の勝手だ。眠いから寝る。それだけだろ。……あ?使い魔創造の課題提出はした筈だ、アレで良いじゃないか。……使い魔の契約を忘れてる?そのくせ上等なキメラなせいで暴れまわって面倒?………あ、うっかりだわ、すまん………ぐぅ(この後叩き起こされた)」
スピルバーグ・フォーサイト
「ようまきな。いや、マキナだったか?くくっ、そう怒るな。今のお前は明るく元気なんだろう?それでいいじゃないか。いやぁ、これでも同属として哀れみはあるんだ。お互い身の丈に合わないもんを背負っちまったよなぁ。わかるわかる。……お前は、腐らせた方が幸せだろうがよ。生粋の殺人種なんてロクなもんじゃねぇ」
マキナ・シスタール
「おお、これはこれは。お節介焼きの野紀さんじゃあありませんか。……いい、間に合ってる。お前の力を借りてまで祝福を解こうなんざ思ってない。だから近づくな!寄るな!どうせ不幸からは逃れられないんだから!バツが悪そうな顔して急に逃げんな!」
- 最終更新:2023-03-28 16:48:24