イチキシマヒメのバレンタイン

「やっほーマスター。今時間あるかいね?」

>こんにちはイチキシマヒメ / あるよー

「よーしよし。じゃあ、はいどうぞ! ハッピーバレンタイン!」

>ありがとう! / これ、饅頭?

「そーよ。面白いじゃろ。もみじの葉っぱのおまんじゅう。あ、こしあんとつぶあんどっちがいい?」

>こしあんで! / つぶあんで!

「はいはい。いっぱい食べんさい。これね、うちの地元……とは違うけど。まあ実家みたいなところの名物なんよ。
 清盛くんとか、元就くんがいっぱいよくしてくれてね。そのおかげで生まれたようなお菓子なんよ。二人とも食べたことないじゃろうけど」

>清盛くん……。 / も、元就くん?



「あれ。知らん? 平清盛と毛利元就……って清盛くんはカルデアにおるから知っとるよね。じゃあ元就くんは?」

>名前だけなら……。

「名前だけかー。……ふっふっふ。うちは元就くんがこーんなに小さい頃から知っとるよ。
 昔っから賢くてね、生意気でね、可愛かったんよー。……けど、うちのお膝元でどんぱちやったのは絶対許さん。会ったら一回お説教とおしおきじゃ」

「……っとと。今は元就くんよりバレンタインじゃった。ほらほら食べんさい食べんさい」

>いただきます。

>……。……!

>おいしい!

「じゃろ? じゃろ? おいしいじゃろ? うちの手作りじゃけぇね
 ……ふふ、ほんとおいしそうに食べてくれて……可愛い子じゃねぇ……よしよし」




「……ねぇ、マスター。いっぱい食べて大きくなりんさいよ」

「こういうおいしいものいっぱい食べれる人生を送らんといけんよ」

「海(うち)に落ちて死んだりしたらだめじゃけぇ、陸の上で幸せになりんさい。ええね? ……うん、うん」

「……よし! じゃあうちはうちは鶴ちゃんや安ちゃん(安徳天皇)に、清盛くんとか教経くんとか……
 とにかく神様連中以外のみんなに渡してくるから! ほいじゃ、またねマスター!」

>…………。

>…………ありがとう。女神さま。



もみじまんじゅう(手作り)

イチキシマヒメからのバレンタインの贈り物。

チョコばかりでは飽きるかも、ということで用意した厳島有名土産のお饅頭。
作るときには込める気もなかったご利益が一つ、二つ、三つ、四つ。
……まぁとにかくいっぱい込められてるが気にせず食べよう。食べれば海を歩けたり歩けなかったりする。かもしれない。
一から自分で作ったのでチーズ、チョコレート、抹茶、クリームなどのバリエーション制作は間に合わなかったらしい。

「ら、来年! 来年はちゃんと間に合わせるけぇね! 待っとってよ!?」

なにをおっしゃる女神さま。バリエーションなど無くとも待ちますとも。
そもそもこしあんが一番なのです、こしあんが。

  • 最終更新:2020-03-31 08:56:54

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