幕間の物語・黒幕編

カナディアの家に突然の訪問者があった。ずんずんと無遠慮に廊下を歩きドアを開き、丁度聖川皆空とカナディアが対面した部屋にやって来る。

ザックス「カナディア!勤勉のマスター変更&遺体隠蔽ってどういうことだ、説明しろ!」

白髪の混じった七三分けの髪型。少しシワの増えてきた肌。きっちり着こなしたスーツが特徴のこれといって特長のない男。この大罪戦争の監督役兼隠匿役をやっているザックス・クラック・マックスウェルだ。

カナディア「やあザックス。いやぁ私も驚いたよ、開催日前日にマスターが殺害されるなんてね。でも安心して、その犯人を勤勉のマスターにしたから問題ないよ」

ザックス「問っ題っ大ありだぁぁっ!!」

部屋の真ん中のテーブルをちゃぶ台返しの要領ではね上げる。
普段は真面目な男で通っているザックスがこんなになるのは旧知の仲であるカナディアの前だけである。

ザックス「曲がりなりにもTV番組だぞ!それを殺人犯をマスターになんて何をかんがえてるっ」

カナディア「まあまあ。彼の起源を聞いたら納得してくれるって」

カナディアはちょいちょいと手招きし近寄ってきたザックスの耳元で囁く。
先程シャワーを浴びたのかシャンプーのいい匂いと少女の匂いの混ざった香りが鼻をつくがカナディアの中身を知っているザックスは全く動じない。同性の友人と戯れる高校生男子の如くだ。

カナディア「ごにょごにょ」

ザックス「っく、はははははっ!なんだそれ。いいねぇ、ダヴィ・シウバの前科隠蔽、このザックス・クラック・マックスウェルが引き受けた!」

この男。カナディアと仲がいい時点で察することができるが中々の外道である。



ザックス「話はまだ終わってないぞっ」

ザックス「お前、何でライダー陣営が大罪と美徳逆なんだ?」

大罪戦争は七つの大罪の業を植え付けられたサーヴァントと相対する七つの美徳を起源に持つマスターを組ませて戦わせる聖杯大会である。
しかし一部美徳と同じ起源が見当たらない場合は似た起源にしていると報告はされていた。しかしザックスの言う通りライダー陣営はサーヴァントが忍耐でマスターは嫉妬に近い羨望である。

ザックス「『あ、バレたか』みたいな顔するな てへぺろウインクも効かんっ」

カナディア「ごめんね、一組くらい逆なのがいてもいいかなーなんて思ってたところにいい感じの人がいてさ」

ザックス「ならせめて相談しろ。スポンサーから不満が出たら資金が降りないぞ」

カナディア「はーい次から気をつけまーす」

カナディアははね上げられたテーブルを魔術で元の位置に戻す。否、彼女のそれは起源覚醒により得た超能力といった方が近い。物にそう動くよう『強制[ギアス]』をかけるのだ。勿論これで強制できる対象には人間も含まれている。
大罪戦争のマスター達はこれにより大罪戦争への参加を強制されている。

  • 最終更新:2018-07-31 22:57:23

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